TimesTen 7.0は、以前のリリースのTimesTenで作成したデータ・ストアを読み取ることができません。TimesTen 7.0には、ttMigrateとttBulkCpの2つの移行ユーティリティが含まれています。これらのユーティリティを使用すると、以前のリリースのTimesTenのデータ・ストアをTimesTenリリース7.0に移行できます。
これらのユーティリティについては、『Oracle TimesTen In-Memory Database APIリファレンス・ガイド』のユーティリティに関する項を参照してください。
Windowsでは、ttMigrateはODBC Driver Managerを使用します。
UNIX Platformsでは、ttMigrateユーティリティはTimesTen Data Manager ODBCドライバに直接リンクしています。
ttMigrateユーティリティは、TimesTenデータ・ストアに対する表の保存およびリストアをバイナリ・データで行います。ttMigrateを使用すると、データ・ストア全体を単一のデータ・ファイルに保存することができます。データ・ファイルには、表の行、列および索引定義が含まれます。TimesTenは、新しいデータ・ストアに表をリストアする際に、表の索引もリストアします。
注意: | ttMigrateユーティリティでは、異なるハードウェア・プラットフォーム間でデータ・ストアを移行することはできません。たとえば、Windowsのデータ・ストアをSolarisデータ・ストアに移行することはできません。また、ttMigrateのリリースは、コピー元またはコピー先となるデータ・ストアのリリースと一致している必要があります。この項の例では、以前のリリースのttMigrateを使用して元のデータ・ストアの表をディスク・ファイルに保存し、新しいリリースのttMigrateを使用して新しいデータ・ストアの表にファイルを移行します。 |
ttMigrateの構文および使用方法については、『Oracle TimesTen In-Memory Database APIリファレンス・ガイド』のユーティリティに関する項を参照してください。
異なるバージョンのデータ・ストアを移行するには、次の手順を実行します。
たとえば、次のような場合を想定します。
Sales
600というTimesTen 4.5のデータ・ストアがあります。sales.dat
です。/opt/TimesTen
60(UNIX Platformsの場合)またはC:\TimesTen\TimesTen
60(Windowsの場合)にインストールされているとします。Windowsでは、次のように指定します。
C:\ > "C:\TimesTen\tt60\bin\ttMigrate"
-c DSN=Sales600 sales.dat
UNIXでは、次のように指定します。
% /opt/tt60/32/bin/ttMigrate -c DSN=Sales600
sales.dat
Sales
tt70という新しいデータ・ソース名を作成し、6.0のデータ・ストアをインポートします。たとえば、次のような場合を想定します。
ttBulkCpユーティリティは、TimesTenデータ・ストアとASCIIファイル間で表データのコピーを実行します。ttBulkCpが使用するデータ・ファイルには、単一の表の行のみを含めることができます。また、表の列および索引定義は格納されません。このため、ttBulkCpを使用して、あるTimesTenデータ・ストアから別のデータ・ストアに移行する場合は、まず新しいデータ・ストアに表と索引を手動で作成する必要があります。その後で、ttBulkCpを使用して、元のデータ・ストアから新しいデータ・ストアに行をコピーします。ttBulkCpの構文と使用方法については、『Oracle TimesTen In-Memory Database APIリファレンス・ガイド』のユーティリティに関する項を参照してください。
注意: | ttBulkCpのリリースは、コピー元またはコピー先となるデータ・ストアのリリースと一致している必要があります。この例では、リリース6.0のttBulkCpを使用してディスク・ファイルに表を保存し、リリース7.0のttIsqlおよびttBulkCpを使用して新しいデータ・ストアの表にディスク・ファイルをコピーします。 |
TimesTen6.0で作成したデータ・ストアからデータをインポートするには、次の手順を実行します。
/opt/
TimesTen6.0/32
に、リリース7.0が/opt/TimesTen/tt70にインストールされているとします。source600
、リリース7.0のユーザーDSNはsource_
tt70であるとします。create.sql
というttIsqlスクリプトがあります。または、ttSchemaユーティリティを使用して、オブジェクトの作成に必要なSQL文を作成します。source600
の表ABLEおよびBAKERをsource_
tt70に移行するとします。このような場合に、表をディスク・ファイルにコピーするには、次のコマンドを実行します。
% /opt/tt60/32/bin/ttBulkCp -o
DSN=source600 able able.save
% /opt/tt60/32/bin/ttBulkCp -o
DSN=source600 baker baker.save
次に、TimesTen 7.0データ・ストア用にsource_
tt70という新しいデータ・ソース名を作成して、次のコマンドを実行します。
% /opt/TimesTen/tt70/bin/ttIsql -connStr
DSN=source_tt70 -f create.sql
% /opt/TimesTen/tt70/bin/ttBulkCp -i
DSN=source_tt70 able able.save
% /opt/TimesTen/tt70/bin/ttBulkCp -i
DSN=source_tt70 baker baker.save